カラーの遺伝について
よくご質問をいただくので、簡単にカラーの遺伝についてご説明させていただきます。
(間違っているところがあったらどうぞご指摘下さいね)
遺伝子の優性と劣性について
遺伝のことを基礎から説明するなら、メンデルの法則やら減数分裂のことやら、いろいろ説明すべきことはあるのですが、優性・劣性のところから説明させていただきます。遺伝のことをちゃんと理解したい方は、高校の生物の教科書や動物の遺伝に関する本を参考にしてください。
猫のカラー遺伝を理解するには、遺伝子の優性と劣性について理解する必要があります。まず、人間の血液型を例にとって優性と劣性について説明します。 A型の人は、AAとAOにわかれているといいます。この場合、AAやAOのことを遺伝子型と呼び、A型のことを表現型といいます。表現型は表面に出てくる形と考えればよいでしょうか。遺伝子型AOでA型という方は、A型だけどO型の遺伝子も持っていることになります。このような場合、Aが優性遺伝子、Oが劣性遺伝子となります。
ここから、劣性の遺伝子は小文字で表現します。遺伝子型がAAの人もAoの人も、血液型としてはA型となります。大文字で書かれたものが血液型(表現型)となると考えてください。
A型の両親の両方または片方がAAの場合、O型の子供は産まれません。両親ともにAoの場合、4分の1の確立でO型の子供が産まれます。
両親がAAなら子供は全て遺伝子型AAのA型。
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父がAAで母がAoの場合(逆も同じ)、子供は全員A型だが、遺伝子型は、AAとAoが半々。
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両親がAoの場合、4分の1の確率でO型の子供が産まれる。
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O型の人の遺伝子型は、ooです。oしか持っていません。ですから、O型同士の両親から、A型、B型、AB型の子供が産まれることはありません。逆にいうとoがふたつ揃わないとO型の血液にはなりません。
ここまでの説明で、Aとoが優劣の関係にあるという意味がなんとなくわかりましたか? Bとoも同じ関係です。 しかし、AとBは優劣関係にはありません。対等です。A型の親とB型の親から、それぞれAとBの遺伝子を受け継いだ子供はAB型になります。
以下に、AB型に関する両親と子供の血液型の組合せ例を載せておきます。
両親ともにAB型の場合、子供は半数がAB型、1/4がA型、1/4がB型となります。
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父親がAB型、母親がAAのA型の場合、子供は半数がA型、半数がAB型となります。
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父親がBBのB型、母親がAAのA型の場合は、子供は全員がAB型となります。
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猫のカラー遺伝について
では、猫のカラーの遺伝の話に入ります。
以下の話は、参考書やウェブサイトの情報をもとに2004年7月頃まとめたものですが、やや情報が古いと思われます。カラーに関する研究は年々進んでいるそうで、数年後には全く違った説明がなされている可能性があります。また、一般的には、カラー記号はABC順に記載されますが、私が個人的に優性→劣性の順で考えるとすっきりするので、以下のような順序で記載してみました。
●( )内は遺伝子型を示します。 ●優性は大文字、劣性は小文字で表します。 ●優性の遺伝子と劣性の遺伝子をひとつずつ持っている場合は、大文字記号と小文字記号ひとつずつで表されます。 ●優性>劣性の関係を不等号(>)で示します。
●大文字の記号がひとつあれば、それが表現型になっているとお考えください。 ●これらの遺伝子が必ず2つずつ1組になっているのは、両親から1つずつ受け継いだとお考え下さい。 1)ホワイトソリッド
ホワイトソリッド(WW または Ww)>その他の全てのカラー(ww)
ホワイトソリッドの遺伝子は、他のカラーに対して最も優位にあります。ホワイトソリッドの遺伝子Wをひとつ持っていれば、その猫はホワイトソリッドになります。
ちなみに、ホワイトソリッドの遺伝子Wと、アンドホワイトを作る白斑遺伝子Sは異なる遺伝子です。ですからホワイトソリッドの子とブラックソリッドの子を交配しても、仔猫がブラック&ホワイトになるとは限らないのです(ホワイトソリッドの親が白斑遺伝子やノンアグーティの遺伝子を持っていてはじめてブラック&ホワイトが産まれます)。
2)シルバー、スモーク
シルバー・スモーク(II また はIi)>シルバー・スモーク以外(ii)
シルバーというカラーは抑制遺伝子(I)の働きで、縞のある猫だとシルバータビー、縞のない猫だとスモークとなります。
ブラウンの猫が抑制遺伝子を持つとシルバーとなり、ブルー、レッド、クリームなどの猫が抑制遺伝子を持つと、ブルーシルバー(ブルースモーク)、レッドシルバー(レッドスモーク)、クリームシルバー(クリームスモーク)となります。
両親のどちらもシルバーでない場合に、シルバーの仔猫が産まれることは理論的にはありえません。しかし、そのような例を聞くことがあります。これをどのように考えたらよいのでしょうか? 以下は私の持論です。 まず、抑制遺伝子は優性であり、抑制遺伝子を持っていない子から、抑制遺伝子を持った子が産まれることはないというのは、遺伝学的に絶対だろうと思っています。
しかし、抑制遺伝子を持っているけれど、それがはっきり表現されない個体というのはありうるでしょう。毛の本当に根元のわずかな部分だけ白、身体のほんの一部分だけ毛の根元が白、といった場合です。
このように、抑制遺伝子を持ちかつ表現もされているけれど肉眼でシルバーが判断できないという親から、はっきりしたシルバーの子猫が産まれることはありうるかと思います。実際ヨーロッパのFIFEという団体の血統書では、「ブルー(ブルーシルバー)」というような書き方がなされている個体を見つけることができます(実際はEMSコードで示されています)。これは、シルバーでないと思っていた親からシルバーの仔猫が産まれたため、親をシルバー系のカラーに変更した、ということのようです。シルバーでない親からシルバーの子は生まれない、という理論を前提としていることからこのような記載が認められるのでしょう。
もし、シルバーかシルバーではないか、判定に悩んだ場合はシルバーとして登録することをお勧めします。将来シルバーの仔猫が産まれてしまった場合、遺伝の法則に反した登録がなされてしまうことを防ぐことができます。同様に、マッカレルタビーかクラシックタビーか悩んだ場合は、優性のマッカレルタビーで登録、縞がある(アグーティ)のか無地(ノンアグーティ)か悩んだ場合は、優性の縞あり(アグーティ)で登録しておくことをお勧めします。カラー・パターンに悩んだら、優性のカラー・パターンで登録! が無難ですね。
3)ダイリュート
濃い色(DD または Dd:ブラック、ブラウン、レッドなど)>薄い色(dd:ブルー、クリームなど)
ダイリュートの遺伝子(d)は、色を薄くする遺伝子で劣性です。この遺伝子がふたつあると、ブルーやクリーム等の猫になります。
ダイリュート遺伝子は劣性ですから、優性遺伝子がない場合、dがふたつ揃った場合にのみダイリュートが表現されます。O型と一緒です。
ブラック、ブラウンの両親からブルーの子が産まれることはあるけれど、ブルーの両親からブラック、ブラウンの子が産まれることはありえません。
※両親がDDの場合、産まれる仔猫は全員DDとなりブラウンやブラックなど濃い色の猫となります。
※片親DD、片親Ddの場合、産まれる仔猫は全員ブラウンやブラックなど濃い色です。
※両親ともにがDdの場合、1/4の確率でダイリュートの猫が産まれます。
※片親がDd、片親がダイリュート(dd)の場合、濃い色の猫とダイリュートの猫が半々の確率で産まれます。 ※片親がDD、片親がダイリュート(dd)の場合、産まれる仔猫は全員ブラウンやブラックなど濃い色です。
※ 余談
日本(アメリカ)でブラウンタビーと呼んでいるカラーは、ヨーロッパではブラックタビーと呼ばれます。名前の付け方からすると、ヨーロッパの方が合理的に思われます。日本では、黒系でダイリュートを持っていない場合、縞猫ならブラウンとなり、無地猫ならブラックとなりますが、ヨーロッパでは、黒系でダイリュートではない場合、縞猫も無地猫もブラックとよばれます。日本では、他のカラーは縞模様の濃い方のカラーで呼んでいるのに、ブラウンだけ地色で呼んでいることになりますね。
4)縞と無地
縞(AA または Aa)>無地(aa)
縞を作る遺伝子Aのことをアグーティと呼び、無地の遺伝子aのことをノン・アグーティ遺伝子と呼びます(私は無地の遺伝子aのことをよくソリッド遺伝子と呼んでいます)。ノン・アグーティの猫はすなわち、ブラックソリッド、ブルーソリッドなどになります。アグーティは優性ですから、縞の猫から無地の猫が産まれることはあるけれど、無地の猫同士から縞猫が産まれることはありえません。 ちなみに、ノンアグーティ遺伝子は黒系の遺伝子にだけ働きます。つまり、レッドやクリームの猫は、ノン・アグーティの遺伝子を2つ持っていたとしても外見上必ず縞猫になるのです。しかし、その猫の遺伝子がアグーティなのかノンアグーティなのか見分けることは可能です。ノン・アグーティの特徴は耳の内側のふちに色が入っている、目の周りのふちどりがない(薄い)と、あご先にまで色が入っていることです。もし、キャットショーなどで、どう見ても縞のあるレッドの子のカラー表記が「レッド(ソリッド)」「レッド&ホワイト(バイカラー)」等となっていたら、このことを思い出していただければ幸いです。
※両親がAAの場合、産まれる仔猫は全員AAとなり縞猫となります。
※片親AA、片親Aaの場合、産まれる仔猫は全員縞猫です。
※両親ともにがAaの場合、1/4の確率で無地の猫が産まれます。
※片親がAaの縞猫、片親が無地猫(aa)の場合、縞猫と無地猫が半々の確率で産まれます。
★補足
アグーティかノンアグーティか、というのは1本の毛に縞があるかどうかの問題で、クラシックタビーかマッカレルタビーかというのは、メラニン色素の分布の問題だそうです。厳密に(理論上?)は、アグーティ=タビー、ノンアグーティ=ソリッドではないのですが、結果的にアグーティ=タビー、ノンアグーティ=ソリッドとなるようです。ソリッドの猫にゴーストタビーが出ることは、メラニン色素の分布の問題と考えるととてもすっきりしますね(2004年 服部幸正氏の勉強会より)。
5)縞の場合、どんな縞か?
マッカレル(TT または Tt)>クラシック(tt)
マッカレルタビーはクラシックタビーに対して優性です。マッカレルの両親からクラシックは生まれるけど、クラシックの両親からマッカレルは生まれません。その確率などは、ダイリュートや縞・無地の項を参考に考えてみてくださいね。
※そのほか、ティックドタビー、スポッテッドタビーという縞模様もあります。ティックドタビーはアビシニアンのような一見無地や霜降りに見えるようなタビーで、スポッテッドタビーはベンガルによく見られるようなマッカレルタビーがとぎれて水玉のように見える柄です。これらの優劣関係は私の手元にある資料にはないのでよくわかりません。ごめんなさい。ただ、マッカレルタビーとスポッテッドタビーは優劣関係ではなく、マッカレル模様がたまたまちぎれたものをスポッテッドと呼ぶらしい、と聞いたこともあります。正しいことはよくわかりませんが・・・。
6)赤系(レッド、クリーム)か黒系(ブラウン、ブラック、ブルー)か。
参考図書を見ると黒の遺伝子はBと書かれています。また、赤の遺伝子はO、赤の遺伝子を持っていないことをooと書いてある本が多いです。この書き方だと、赤と黒の遺伝子を両方もっている場合は、Oo Bとなります。赤と黒の遺伝子が優劣関係にないことを考えると、この書き方は少々ややこしいですね。
赤と黒の遺伝子は、優劣関係にありません。血液型でいうならAとBの関係と同じです。赤と黒の両方の遺伝子を持っていれば両方のカラーが発現し、トービーやトーティといったカラーになります。
赤か黒かを決める遺伝子は、性染色体と関係があります。性染色体は、雄はXY 雌はXXとなっていて、雄になるにはYの遺伝子を持っていることが必要です(詳しくは別途参考書をご覧ください)
黒系か赤系かを決める遺伝子はXとしか結びつきません。雄はXの遺伝子をひとつしか持っていないため、黒か赤どちらかにしかならないのに対し、雌はXの遺伝子をふたつ持っていますから、黒と赤の両方の遺伝子を持つことができます。だから、三毛猫は雌にしか生まれないとされているのです(三毛猫は、赤、黒の遺伝子と白斑遺伝子を持っています)。まれに雄の三毛猫が生まれることがありますが、この場合はXXYという遺伝子型をしていると説明されています。
参考
赤系の父親と黒系の母親→雄は黒系のみ、雌はトービー(トーティ)のみ
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母 黒 |
X黒 |
X黒 |
父
赤
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X赤 |
X黒
X赤
(♀トービー)
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X黒
X赤
(♀トービー)
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Y |
X黒
Y
(♂黒)
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X黒
Y
(♂黒)
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黒系の父親と赤系の母親→雄は赤系のみ、雌はトービー(トーティ)のみ
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母 赤 |
X赤 |
X赤 |
父
黒
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X黒 |
X赤
X黒
(♀トービー)
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X赤
X黒
(♀トービー)
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Y |
X赤
Y
(♂赤)
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X赤
Y
(♂赤)
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赤系の父親とトービー(トーティ)の母親→雄は黒系、赤系の可能性、雌はトービー(トーティ)、赤系の可能性
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母 トービー |
X赤 |
X黒 |
父
赤
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X赤 |
X赤
X赤
(♀赤)
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X黒
X赤
(♀トービー)
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Y |
X赤
Y
(♂赤)
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X黒
Y
(♂黒)
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黒系の父親とトービー(トーティ)の母親→雄は黒系、赤系の可能性、雌は黒系、トービー(トーティ)の可能性
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母 トービー |
X赤 |
X黒 |
父
黒
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X黒 |
X赤
X黒
(♀トービー)
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X黒
X黒
(♀黒)
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Y |
X赤
Y
(♂赤)
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X黒
Y
(♂黒)
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※レッドの猫はトービー(トーティ)の母猫からしか産まれず、レッドの雌は母親がトービーで父親がレッド系の場合しか産まれません。
※赤系と黒系の猫を交配すると、仔猫の性別がカラーでわかるので便利です。
7)白斑(アンドホワイト)遺伝子(S)
ソリッド(ホワイトソリッドを除く)やオールタビーの猫は白斑遺伝子Sを持っていませんから、遺伝子型はssとなります。
白斑遺伝子を一つ持っているか(Ss)、二つ持っているか(SS)によって、ホワイトの分量がことなります。ただ、1つか2つかは外見からではわかりません。ホワイトなし(ss)の子と交配して、ホワイトなしの子が産まれるか否かなどで判断するしかないようです。
ケーススタディ
我が家のレオの場合(レッドクラシックタビー&ホワイト)
母猫 シルバークラシックトービー&ホワイト
父猫 ブルーマッカレルタビー&ホワイト
1) ホワイトの遺伝子は持っていない(ww)。
2) シルバーの遺伝子は持っていない(ii)。
3) ダイリュート遺伝子を一つだけ持っている(Dd)。←父親がddであるから。
4) 縞猫である(AA またはAa)。血統書を見る限りでは、レオはノン・アグーティ遺伝子を持っていないようです。実際に、ノン・アグーティ遺伝子を持っている雌と交配しても縞猫しか産まれていないので、おそらくAAと思われます。
5)クラシックタビーである(tt)。両親ともにクラシックタビーなので当然です。
6) 赤系の遺伝子を持っている(O)。黒系はもっていない。
7) 白斑遺伝子をひとつ持っている(Ss).レオの子供には何匹かオールタビーの子がいるので、白斑遺伝子はひとつです。
我が家のイネスの場合(シルバークラシックトービー)
母猫 ブラウンクラシックトービー&ホワイト
父猫 シルバークラシックタビー&ホワイト
1) ホワイトの遺伝子は持っていない(ww)。
2) シルバーの遺伝子をひとつ持っている(Ii)。
3) ダイリュート遺伝子は持っていない(DD)。
イネスの兄弟にはブルーの子がいるので、イネスもダイリュート遺伝子をもっているかと思いましたが、ブルーの雄猫と交配して生まれた7匹のうちにブルーやクリームが1匹もいなかったことから、おそらくイネスはダイリュートの遺伝子を持っていないと思われます。
4) 縞猫である(AAまたはAa)。イネスがノン・アグーティ遺伝子を持ってる可能性は低いです。
5)クラシックタビーである(tt)。両親ともにクラシックタビーなので当然です。
6) 赤系の遺伝子と黒系の遺伝子をひとつずつ持っている(Oo B)。
7) 白斑遺伝子は持っていない(ss)
我が家のアリスの場合(ブルートーティ&ホワイト)
父猫 レッド&ホワイト
母猫 ブラウンマッカレルタビー&ホワイト
1) ホワイトの遺伝子は持っていない(ww)。
2) シルバーの遺伝子は持っていない(ii)。
3) ダイリュート遺伝子を2つ持っている(dd)。
4) 縞猫ではない:ノンアグーティ(aa)
5) aaの働きで縞はないけれど、縞に関する遺伝子は持っていることになると思います。そしてそれはおそらくマッカレルタビーと思われますが、アリスの先祖にはクラシックタビーの猫もいるので、もしかしたらクラシックタビーの因子も持っているかもしれません。(TTまたはTt)。
6)赤系の遺伝子と黒系の遺伝子をひとつずつ持っている(Oo B) 7) 白斑遺伝子をひとつ持っている(Ss)。それほどホワイトの多い子ではないので、おそらく白斑遺伝子はひとつでしょう。 レオとイネスを交配した場合に生まれる仔猫のカラーの可能性
男の子:レッド、レッドシルバー、ブラウン、シルバー with/withoutホワイト
女の子:レッド、レッドシルバー、ブラウントービー、シルバートービー with/withoutホワイト
※両親がクラシックタビーなので、タビーはクラシックのみです。 ※イネスからシルバーの遺伝子をもらえば、シルバー、レッドシルバーなどになり、もらわなければブラウンやレッドなどになります。 ※イネスがダイリュートの遺伝子を持っていないと思われるので、ブルーやクリームは産まれません。
※両親が赤系の遺伝子を持っているので、女の子のブラウンやシルバーは生まれず、必ず赤の入ったカラーになります。
レオとアリスを交配した場合に生まれる仔猫のカラーの可能性
男の子 レッド、クリーム、ブラウン、ブルー with/withoutホワイト
女の子 レッド、クリーム、ブラウントービー、ブルートービー with/withoutホワイト
※レオがノンアグーティの遺伝子をおそらく持っていないと思われるので、全員縞猫になるかと思います。タビーはおそらくマッカレルタビーだと思いますが。もしかしたらクラシックタビーも産まれるかもしれません。 ※アリスがダイリュート遺伝子しか持っていませんが(dd)、レオがDとdの両方を持っているので、濃い色(ブラウン、レッド)も薄い色(ブルー、クリーム)も産まれます。ダイリュートの子が産まれる確率は1/2です。 ※レオアリスともに白斑遺伝子を1つずつ持っていると思われるので(Ss)、仔猫はSsのホワイトありの子が1/2、ホワイトなしの子(ss)が1/4、SSのホワイトあり(ホワイト多め)の子が1/4の確率で産まれます。
参考文献
「世界のネコたち」(山と渓谷社)
「ノルウェージャン・フォレスト・キャット」(誠文堂新光社)
「ネコと遺伝学」(コロナ社)
最終更新日 2004.11.7
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